![アイナ](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/プロフィール.jpg)
白老町のアイヌ文化振興担当になったばかりの頃、役場の方に、町内を案内してもらいました。
その時、まず行ったのが、この高橋先生像とアイヌ碑のある広場です。
目次
高橋房次先生
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高橋先生は、1955年、白老町の名誉町民第一号に選ばれたお医者さんです。
青森県町立田名辺病院の院長をしていましたが、アイヌ民族の医療が乏しいという話を聞き…
1915年に北海道へ来て、新冠村の村医者としてアイヌ民族の医療に献身。
1922年、40歳の時に、白老町に新設された旧土人病院の院長として迎えられました。
寒い夜中の往診依頼を断ることもなく、医療費を決して督促しなかったと言います。
森野地区の拓殖医を委嘱され、熊の出没していた山道を、週2回小学校へ自転車で通いました。
時には衣料や米、子供への菓子などを帰り際にそっと置いてきたものだと伝えられています。
現在でも高橋先生のことを覚えている町民は多いのです。
1937年、旧土人保護法の法改正によって、病院は閉鎖されました。
しかしその後も、旧土人病院は高橋医院と名を変え、存続されました。
1日も聴診器を離したことのなかった「コタンのシュバイツァー」は、
1955年、白老町の名誉町民第一号に選ばれました。
更に先生は、1957年、北海道医師会から表彰。
1959年には北海道文化賞も受賞しています。
1960年、高橋先生は79歳の生涯を終えましたが、
葬儀には彼を慕う町民が参列し400mの長蛇の列ができるほどだったそうです。
白老第二小学校
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そしてこの場所には、旧土人病院の隣に、白老第二小学校も建っていました。
旧土人病院も白老第二小学校も、ことの始まりは1899年の旧土人保護法ができたことです。
1902年、現在のポロト自然休養林のあたりに、白老第二小学校が建てられました。
この悪名高い法律は、アイヌ民族を日本人に同化することを目的とし
「保護」どころではなかったようです。
小学校でもアイヌ語が取り入れられませんでした。
しかし、素晴らしい教師も迎え、年々実績が上がっていったと言われています。
1912年、生徒の数が減ってきたので、森サリキテらの尽力により、学校は移転します。
それが、このアイヌ碑のある場所で、白老コタンの中心部でした。
1937年、旧土人保護法の法改正によって、病院も小学校も閉鎖。
病院は高橋医院となり、小学校は白老小学校に統合されました。
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以下は碑文より
「その昔、私たちアイヌの先祖は、悠久の歴史をこの北海道シラオイ(白老)の大地に刻んできた。
そして、自然への畏敬と恵みに感謝し、アイヌの生命を自然にゆだね、独自の精神文化や世界観などを育んできた。
しかし、明治期以降の開拓の進展や同化対策などに伴い生活環境は大きく変化し、生活の不安と苦渋は筆舌に尽くし難いものがあったが、私たちの先祖は、風俗習慣を異にしながら和人に多くの支援と利便を供与し、アイヌ民族としての復権を図るべく共に力を尽くした。
この地はアイヌの子弟が教育を受けた白老第二小学校があった地であり、また、コタンのシュバイツァーとして地域住民に献身的な医療活動をささげられた故高橋房次先生の病院跡地であり、アイヌ民族にとってゆかりの地でもある。
ここに先祖の意志に報い、今日の白老の繁栄と基盤を作り上げた先人アイヌの幾多の労苦と偉業を讃え、関係者の意志によってこの碑を建立する。
2005年8月10日 白老アイヌ碑建立実行委員会」
アイヌ碑先祖供養祭
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毎年8月に、アイヌ碑において先祖供養祭が行われます。
詳しくは下の記事をご覧ください。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/08/アイヌ碑-520x300.jpg)
[…] 特に2009年の栃木県小山市の小山市立博物館で作品展を開いた際に、同市出身で白老町のアイヌ民族へ献身的な医療を捧げた医師・高橋房次の写真を展示しました。 […]
[…] 仙台藩白老元陣屋資料館や、チキサニ、ヨコスト湿原、高砂町で降りればアイヌ碑の近くに降りられます。 […]