住所 | 白老町大町2-3-10 |
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電話 | 0144-82-3003 |
OPEN | 9:00~18:00 |
CLOSE | 日曜日 |
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2021/11/休養林.jpg)
はじめて白老駅を降りたとき。
白老の商店街を進んですぐに、その喫茶店はありました。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/02/IMG_0669.jpeg)
![アイナ](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/プロフィール.jpg)
なんかレトロで、味わい深い佇まいだなあ…。
店内を見ていると、奥のカウンターからやって来たのは…
白いエプロンのニッコリした女性。
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
いらっしゃ〜い。
この方が相吉京子(あいよし きょうこ)さんでした。
店内を見渡すと、どこにも直線がありません。
機械でつくった跡がひとつもないし、プラスチックも見えません。
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/プロフィール.jpg)
素敵なインテリアですね!
あの、まさか、壁の漆喰も、柱も、ニポポ(アイヌこけし)も、扉も、ご自分で作っているんですか…!?
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
ああ、これは、うちの主人が作ったのよ。
イスも、机も、カウンターもね。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/ソファ2-1.jpg)
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/机.jpg)
その人が、天才的な木彫り師でカフェ店主の相吉 正亮(まさあき)さんです。
目次
マサアキさんとニポポ
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
マサアキさんは、白老生まれ。
東京の大学に入り、妻となるキョウコさんに出会います。
マサアキさんは東京でサラリーマンになりますが、Uターンして白老に戻ることを決意。
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
それで、この人に無理矢理、白老に連れてこられてさ…
![マサアキさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
いやいや、この人が勝手についてきたんだよ。
1975年頃、キョウコさんとマサアキさんは、白老で暮らし始めました。
当時は、ウポポイの前身のポロトコタンが全盛期。
しかし、その裏の林は荒れ放題でした。
その林を営林署で「国営の自然休養林にしよう」という話が出た時、マサアキさんが看板作りを頼まれました。
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
それで、喫茶店を開くことになったとき、休養林ができたことを記念して、「喫茶休養林」という名前をつけたのよ。
![マサアキさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/ニポポ.jpg)
休養林は、お店全体がマサアキさんの作品。
一歩足を踏み入れれば、そこは作品の中の世界です。
お店の内装は、「喫茶とインテリアII」という本でも紹介されています。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/本-205x300.jpg)
お店の天井に銛!?
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/04/IMG_2620.jpeg)
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
2015年、ウポポイの前身のポロトコタンで、シリカㇷ゚(カジキマグロ)を送る儀式をやったんだけど…
その時に僕が作ったのが、このキテ・ループタイなんだよ。
昔は、この銛を船に乗せて海にこぎ出し、カジキマグロを仕留めたんだって。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/11/IMG_5286.jpeg)
![アイナ](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/プロフィール.jpg)
この尖ってるので、ブスッと刺すんですか?
![マサアキさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
そうそう。
銛の先端部分が、皮膚の中で回転して、抜けなくなるんだよね。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/04/IMG_2627.jpeg)
12年通ったアイヌ語教室
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
奥さんのキョウコさんは、東京育ち。
それが急に白老町のポロトコタンのそばで、喫茶店を経営することになりました。
開店は1979年、世界各国から博物館に観光客が来ていた時です。
カレー20人前注文!など、忙しい日々を送っていました。
ある日、沖縄の観光客がキョウコさんに聞きました。
![観光客](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_010.jpg)
アイヌ民族は、どんな服を着てるの?
何を食べて、どこで暮らしているの?
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
私はわかりません。博物館の人に聞いてください。
観光客は、不満そうに帰っていきました。
「わからない」と答えたキョウコさんは、それを悔しく思います。
そして、博物館に通って、勉強を始めたのです。
ある日、娘さんの友達に…
![友達](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2021/11/イラスト9_032.jpg)
おばさん、一緒にアイヌ語教室に行こうよ!
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
えっ、いいけど…。
キョウコさんは、ウタリ協会のアイヌ語教室に通い始めます。
先生は、松永タケさん、野本亀男さん、岡田路明さんです。
最初の講座のたけフッチ(おばあさん)の第一声は、
わたしゃ、わからん。みーんな忘れちまった。
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
あらあら、大丈夫かしら…?
とキョウコさんは不安になりますが、
第2回目の講座では、
思い出してきた。
と、フッチは話し始めます。
亀男エカシ(おじいさん)の方は、気さくにお話をしてくれました。
キョウコさんは教室が閉鎖されるまで、12年通いました。
思い出深いのは、教室のメンバーで参加した苫小牧市民会館でのウタリ文化祭。
トランネヘカチ(怠け者の少年)という劇で、フッチ役を大須賀るえ子さんと一緒に演じました。
時代を先取り!地元民のコミュニティ・カフェ
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
歌声喫茶は、第2第4土曜日の13時から、長いことやってるのよ。
![マサアキさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_006.jpg)
町内のグループホームに、出前歌声喫茶をしたこともあったね。
マサアキさんがコーヒーを淹れて、入所者さんが歌う、楽しいイベントでした。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/04/IMG_2624.jpeg)
それに、キョウコさんが30年以上参加しているサークル「白老ペン」。
毎月、休養林に集まってコーヒーを飲みながら楽しくおしゃべり。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/11/IMG_4813.jpeg)
![キョウコさん](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/イラスト9_001.jpg)
最初は場所を貸してるだけだったんだけど、私も会員になっちゃった。
随想、随筆、短歌、俳句、論考を書いて同人誌「白老ペン」を発行しています。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/2108040004.jpg)
他にも、コンサートや詩の朗読会など、たくさんのイベントが開かれています。
ポロトコタンの観光客が減り、周りの喫茶店がどんどん閉店するなか、今も続いている休養林。
それは、地元の人たちに愛される場所だから。
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喫茶休養林は、カレーとコーヒーが美味しいだけではありません。
![アイナ](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/01/プロフィール.jpg)
店主がつくった木彫り作品を鑑賞できます。
歌声喫茶もあります。
同人誌も発行しています。
時代を先駆けた、白老の歴史あるコミュニティ・カフェに、ぜひ遊びに来てくださいね!
おまけ
ヨコスト湿原の入り口にある2つの看板も、マサアキさんが作ったものです。
![](https://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2022/04/IMG_2689.jpg)
![](http://shiraoi-ainu.site/wp-content/uploads/2021/11/IMG_1933.jpeg)
[…] ある日、喫茶休養林で、お茶を飲みながら… […]
[…] しかし、アイヌ語教室に通い初め、松永タケフッチや野本亀男エカシに師事。 […]
[…] しかし、50歳になってアイヌ語教室に通い初め、松永タケ媼や野本亀男翁に師事。 […]
[…] この看板は、喫茶休養林の店主が作った作品です。 […]
[…] しかし、50歳になってアイヌ語教室に通い初め、松永タケ媼や野本亀男翁に師事。 […]
[…] しかし、50歳になってアイヌ語教室に通い初め、松永タケ媼や野本亀男翁に師事。 […]