河岸麗子さん

電話090-9086-1025
メールfuthi.reiko.1052@icloud.com

白老に移住してすぐ、作家の河岸麗子さんのお名前を耳にする機会がよくありました。

よく見かけたのは、このエムㇱアッの技法を使ったネックストラップです。

でも、東京など白老町外でも講師としてご活躍されている話を聞き、

アイナ
アイナ

河岸さんは、本当に白老町にいるんだろうか?

と思っていました。

そんな河岸さんに初めてお会いしたのが、ウポポイで展示販売をされていた時でした。

ウポポイで販売しているストラップ
河岸さん
河岸さん

えっ、白老町にいるわよ!

ウポポイ開設1年目は、25回もウポポイに行ったんだから!

アイナ
アイナ

そうなんですか!?

すごく身近にいたんですね…。

ウポポイは、本当にしょっちゅう行っているんですね!

旧アイヌ民族博物館時代

アイナ
アイナ

河岸さんは、旧アイヌ民族博物館(ポロトコタン)で働いていたんですよね。

河岸さん
河岸さん

ええ、21年勤務しました。

川にオヒョウの皮を入れて、一枚づつはがして細かくさいて、単芯でよりをかけ、反物を織り、着物を作るの…。

「この仕事は、普通の人はできないんだ!」と思いながら、幸福感に浸って仕事していたのよ。

アイナ
アイナ

わあ、そのお話、詳しく教えてください!

河岸さん
河岸さん

勤め始めたのは45歳の時。

初めは受け付けをやってたんだけど、博物館内で物販が始まり、手仕事をしながら売るようになったの。

だから物販もしたし、踊りも踊ったし。

最初から伝統工芸をしていたわけではないんですね!

河岸さん
河岸さん

初めは伝統工芸の人たちを「すごいなぁ。ここの人はこういう仕事もしてるんだ。」ってうらやましく見ていたの。

縫う・織る・編む

左が伝統的な素材を使った刀掛け(エムㇱアッ)。右が現代の素材を使ってエムㇱアッの技法で編んだペンダント。
河岸さん
河岸さん

博物館では「縫う・織る・編む」という女性の手仕事を学べて本当によかった。

アイヌ文化講座っていうと、刺繍が多いでしょう。

それは、材料が手に入るからだと思うの。

アイナ
アイナ

確かに、ゴザ編みやアットゥㇱ織は、材料を手に入れるのが難しいですよね。

河岸さん
河岸さん

そうなの。

でも、材料を重視していたら、技術を伝えることができない…(材料が市販されていないから手に入らない)。

だから、私は技法を重視して現代の材料でも伝統的な技法は伝えられる…と思ったの…。

アイナ
アイナ

全く同じ道具を使って、素材は全然違うのが面白いですね!

河岸さん
河岸さん

この伝統技法で、欲しいものが、なんでも作れちゃうの!

生徒さんはエムㇱアッの技法を習って、「ワクワクが止まらない!」って言ってる人もいるの…。

うれしいです。

伝統的な素材を使って編んだエムㇱアッ(上)と、エムㇱアッの技法で現代の材料を使って作った名刺入れ(中央)
アイナ
アイナ

商品でエムㇱアッの技法を知ってもらったり、講座でさまざまな技法を教えているんですね。

河岸さん
河岸さん

白老町役場の担い手養成事業では、3年間。

それから、苫小牧市の講座でも、3年間。

アイヌ文化財団アドバイザー事業として、函館の北方民族資料館にも派遣され、3年間通いました。

2015年から2018年は、東京八重洲交流センターでも、キナ編み、タㇻ編み、エムㇱアッの講座もやらせて頂きました。

2008年からは、旧アイヌ文化振興・研究推進機構の担い手養成事業で9年間指導にあたりました。

好きなことを仕事に

エムㇱアッの技法で、カラフルな作品を編む
河岸さん
河岸さん

私はポロトにいて、大好きな仕事ができたの。

自分の好きなことが仕事になるなんて、こんな幸せなことはありません。

アイナ
アイナ

河岸さんの「大好き」って、手仕事への純粋な尊敬の念がこもっていますね。

その姿勢が、プロフェッショナルな仕事に繋がっているんですね。

河岸さん
河岸さん

色々と自分は教わってきたから、今後はお返しする番だと思っています。

教わった技術を伝えなかったら、もったいないと思うの。

私は、本当に素晴らしいと思ってやってきたことだから。

デザインを作る

函館の北方民族資料館での講座で、お手本に使ったタペストリー
アイナ
アイナ

旧アイヌ民族博物館で行われた複製事業では、古いものを忠実に再現していたと聞きました。

針目の数や、裏に布を折る方向、運針の方向までも、その通りに複製していたんですよね。

河岸さん
河岸さん

そう。

古い着物には敬意を払っているから、触るときは金属のアクセサリーは取るし、手袋もつけます。

大阪の民博の研修にも行かせて頂き、スコットランド博物館のマンローコレクションの複製事業にも参加させて頂きました。

複製を学んだ上で、オリジナルでの作品が生まれると良いですね。

アイナ
アイナ

伝統を学んだ上で、新しいものを作り出すということですね!

河岸さん
河岸さん

若い世代にもオリジナルデザインで作品を制作して欲しいですね。

本当にアイヌ文化を伝えていこうとするなら、若い人たちを動かさないと。

「学生アイヌ文様コンテスト」なんて、あったらいいかもしれないわね!

商品が買える場所

ウポポイで売っているブレスレット。カップルにも。
  • ウポポイ
  • 界ポロト
  • ポロトミンタㇻ

主なアイヌ文化活動

  • 1993 旧アイヌ民族博物館 勤務
  • 1999 アイヌ民族文化財団 マニュアル事業制作(縫う)ルウンペ
  • 2000 同財団コンテスト 入選
  • 2001 マンロー資料複製品制作 スコットランド博物館収蔵品調査のため渡英
  • 2006 アイヌ工芸作品コンテスト 優秀賞
  • 2008 道アイヌ協会 伝統工芸展 優秀賞
  • 2011 天皇陛下来道の贈呈品としてアットゥシの着物が起用される
  • 2013 文化庁複製事業にて指導にあたる
  • 2014 旧アイヌ民族博物館 退館
  • 2015 東京八重州交流センターにて 講師
  • 2015 北海道アイヌ伝統工芸展 最優秀賞
  • 2015 アイヌ民族文化財団 アイヌ文化奨励賞 受賞
  • 2008〜2016 担い手育成事業 講師
  • 2016 東京八重州交流センターにて 講師
  • 2017 中国首相来道の贈呈品としてアイヌ文様タペストリーが起用される
  • 2017 東京八重州交流センターにて 講師
  • 2017 登別アイヌ協会 衣服複製事業 講師

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