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白老に移住してすぐ、作家の河岸麗子さんのお名前を耳にする機会がよくありました。
よく見かけたのは、このエムㇱアッの技法を使ったネックストラップです。
でも、東京など白老町外でも講師としてご活躍されている話を聞き、
河岸さんは、本当に白老町にいるんだろうか?
と思っていました。
そんな河岸さんに初めてお会いしたのが、ウポポイで展示販売をされていた時でした。
えっ、白老町にいるわよ!
ウポポイ開設1年目は、25回もウポポイに行ったんだから!
そうなんですか!?
すごく身近にいたんですね…。
ウポポイは、本当にしょっちゅう行っているんですね!
目次
旧アイヌ民族博物館時代
河岸さんは、旧アイヌ民族博物館(ポロトコタン)で働いていたんですよね。
ええ、21年勤務しました。
川にオヒョウの皮を入れて、一枚づつはがして細かくさいて、単芯でよりをかけ、反物を織り、着物を作るの…。
「この仕事は、普通の人はできないんだ!」と思いながら、幸福感に浸って仕事していたのよ。
わあ、そのお話、詳しく教えてください!
勤め始めたのは45歳の時。
初めは受け付けをやってたんだけど、博物館内で物販が始まり、手仕事をしながら売るようになったの。
だから物販もしたし、踊りも踊ったし。
最初から伝統工芸をしていたわけではないんですね!
初めは伝統工芸の人たちを「すごいなぁ。ここの人はこういう仕事もしてるんだ。」ってうらやましく見ていたの。
縫う・織る・編む
博物館では「縫う・織る・編む」という女性の手仕事を学べて本当によかった。
アイヌ文化講座っていうと、刺繍が多いでしょう。
それは、材料が手に入るからだと思うの。
確かに、ゴザ編みやアットゥㇱ織は、材料を手に入れるのが難しいですよね。
そうなの。
でも、材料を重視していたら、技術を伝えることができない…(材料が市販されていないから手に入らない)。
だから、私は技法を重視して現代の材料でも伝統的な技法は伝えられる…と思ったの…。
全く同じ道具を使って、素材は全然違うのが面白いですね!
この伝統技法で、欲しいものが、なんでも作れちゃうの!
生徒さんはエムㇱアッの技法を習って、「ワクワクが止まらない!」って言ってる人もいるの…。
うれしいです。
商品でエムㇱアッの技法を知ってもらったり、講座でさまざまな技法を教えているんですね。
白老町役場の担い手養成事業では、3年間。
それから、苫小牧市の講座でも、3年間。
アイヌ文化財団アドバイザー事業として、函館の北方民族資料館にも派遣され、3年間通いました。
2015年から2018年は、東京八重洲交流センターでも、キナ編み、タㇻ編み、エムㇱアッの講座もやらせて頂きました。
2008年からは、旧アイヌ文化振興・研究推進機構の担い手養成事業で9年間指導にあたりました。
好きなことを仕事に
私はポロトにいて、大好きな仕事ができたの。
自分の好きなことが仕事になるなんて、こんな幸せなことはありません。
河岸さんの「大好き」って、手仕事への純粋な尊敬の念がこもっていますね。
その姿勢が、プロフェッショナルな仕事に繋がっているんですね。
色々と自分は教わってきたから、今後はお返しする番だと思っています。
教わった技術を伝えなかったら、もったいないと思うの。
私は、本当に素晴らしいと思ってやってきたことだから。
デザインを作る
旧アイヌ民族博物館で行われた複製事業では、古いものを忠実に再現していたと聞きました。
針目の数や、裏に布を折る方向、運針の方向までも、その通りに複製していたんですよね。
そう。
古い着物には敬意を払っているから、触るときは金属のアクセサリーは取るし、手袋もつけます。
大阪の民博の研修にも行かせて頂き、スコットランド博物館のマンローコレクションの複製事業にも参加させて頂きました。
複製を学んだ上で、オリジナルでの作品が生まれると良いですね。
伝統を学んだ上で、新しいものを作り出すということですね!
若い世代にもオリジナルデザインで作品を制作して欲しいですね。
本当にアイヌ文化を伝えていこうとするなら、若い人たちを動かさないと。
「学生アイヌ文様コンテスト」なんて、あったらいいかもしれないわね!
商品が買える場所
- ウポポイ
- 界ポロト
- ポロトミンタㇻ
主なアイヌ文化活動
- 1993 旧アイヌ民族博物館 勤務
- 1999 アイヌ民族文化財団 マニュアル事業制作(縫う)ルウンペ
- 2000 同財団コンテスト 入選
- 2001 マンロー資料複製品制作 スコットランド博物館収蔵品調査のため渡英
- 2006 アイヌ工芸作品コンテスト 優秀賞
- 2008 道アイヌ協会 伝統工芸展 優秀賞
- 2011 天皇陛下来道の贈呈品としてアットゥシの着物が起用される
- 2013 文化庁複製事業にて指導にあたる
- 2014 旧アイヌ民族博物館 退館
- 2015 東京八重州交流センターにて 講師
- 2015 北海道アイヌ伝統工芸展 最優秀賞
- 2015 アイヌ民族文化財団 アイヌ文化奨励賞 受賞
- 2008〜2016 担い手育成事業 講師
- 2016 東京八重州交流センターにて 講師
- 2017 中国首相来道の贈呈品としてアイヌ文様タペストリーが起用される
- 2017 東京八重州交流センターにて 講師
- 2017 登別アイヌ協会 衣服複製事業 講師
[…] そこで河岸麗子さんに教わりながら、古い着物を針目の数まで忠実に再現したことは、とても良い経験になりました。 […]