アイヌ刺繍工房「エコㇿ イコㇿ」

白老に引っ越してきてから、私は沢山の講座に参加しました。

刺繍講座だけでなく、古式舞踊や、歴史講座。

それから、チキサニでのシャケ皮の靴作りなど…。

アイナ

そこで、いつもお会いしたのが刺繍作家の大久保ゆりこさん。

ゆりこさんも、アイヌ文化を学ぶ講座に多く参加していました。

刺繍作家・大久保さん

大久保さんは、石山の輪果窯というお店の斜め裏で、工房を開いています。

アイナ

いつでも開放している工房ではありませんが、作品を見せてもらいにお邪魔しました！

薪ストーブのある素敵なお宅で、作品を見せていただきました。

アイナ

エコㇿ イコㇿって、どういう意味なんですか?

大久保さん

エコㇿ イコㇿとはアイヌ語で、「あなたの宝物」という意味です。

私たちの作品があなたの宝物になるように、心を込めて制作しています。

刺繍の目は細かく、時間がかかっても絶対手を抜きません。

大久保さん

白老の伝承者の皆さんが、これまで築き上げたアイヌ刺繍。

それを、私が壊してはいけないから。

白老に移住して

そんな大久保さんは、埼玉出身。

しかし、20年ほど前に、お母様が暮らしていた白老が好きになり…

10年ほど前から、すっかり白老に定住してしまいました。

ウポポイの前身のポロトコタンがあった頃は、よく儀式を観に行っていたそうです。

町民の入場は無料だったので、遊びに行く感覚で行っては、実際に参加もさせてもらいました。

アイナ

町外からやってきた大久保さんにとって、とてもアットホームな場所がポロトコタンだったんですね！

大久保さん

白老ではちょっと出掛けても知り合いに会えるので楽しいです。

それに、白老の自然もいいですね。

生活も慌ただしくなくて…。

こっちに来てから、私は行動的になったんです。

アイナ

えー！

大久保さんは、いろんな講座やイベントに積極的だなって思っていました。

大久保さん

いえいえ。

私は、自分から何かを動くタイプではなかったんですよ。

白老に来てから、一眼レフで風景や野鳥・山野草の写真を撮ったり、木の器作りをしたり、流氷ダイビングやパラグライダーをしたりと、色々なことにチャレンジして趣味が増えました。

こっちに来てからあれもこれもやりたいと、すっかり好奇心旺盛になりました。

アイナ

そうして、白老でいろんな経験をする中で、アイヌ刺繍とも出会ったんですね。

大久保さん

刺繍を本格的に始めたのは、みんなの心をつなぐ巨大パッチワークの会に参加したことでした。

「刺繍って、こんなに面白いんだ！」って、一気にのめり込みました。

その後は、白老町で開催されるアイヌ刺繍講座に何度も参加し、技術を磨いてきました。

実演販売

2022年11月9日から６日間、阪急梅田本店で行われた「日本の職人展」で実演販売とワークショップを行いました。

12月17日から２日間、札幌の丸井今井本店では、「with AINU CRAFTS.（ウィズアイヌクラフツ）」というイベントで実演販売も行いました。

ワークショップには、遠くからも「アイヌ刺繍をやってみたい」という方々が集まったそうです。

アイナ

白老では活発なアイヌ刺繍ですが、本州や札幌ではまだまだ触れるチャンスがない方も多いですよね。

大久保さん

私は、アイヌ刺繍に出会って人生が変わりました。

若い人は、ウポポイやゴールデンカムイなどの影響で、アイヌ文化に興味を持っている方も多いです。

今のこのタイミングで、素晴らしいアイヌ文化やアイヌ刺繍を沢山の方に知って頂きたい、広めていきたいと思っています。

アイナ

ウポポイやゴールデンカムイでせっかく興味を持った人には、更にアイヌ文化のことを知ってほしいですよね。

大久保さん

アイヌ刺繍を見て綺麗だなとか、素敵だなって興味を持ってもらえたら嬉しいです。

ワークショップなどを通じて、アイヌ文化やアイヌ刺繍を「知ってもらう」入り口になれたらいいなって思っています。

商品を買えるお店

大久保さんの刺繍小物は、以下のお店で買えます！

インスタもされているので、直接購入もできますよ。

• ポロトミンタㇻ
• ラナピㇼカ
• 山珍
• どさんこプラザ羽田空港店・札幌店

ふるさと納税

ふるさと納税の返礼品の商品にも選ばれた、ミニ着物。

新聞にも大きく載りましたよ。

オリンピック開会式

大久保さんは、2021年オリンピックの開会式で古式舞踊を踊りました！

大久保さん

アイヌ刺繍だけでなく、踊りなどアイヌ文化についてこれからも色々学びたいです。

と語る大久保さん。

言葉どおり、学べるものはどんどん吸収しようと、勉強を怠りません。